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THORENSの歴史

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THORENSと言えば、オーディオ機器メーカーイメージが強いのですが、元々はHERMANN THERENSが1883年に精密機器メーカーとして創業された会社です。
今でこそオーディオ機器製造会社のイメージが強いのですが、創業当時はハーモニカやオルゴール製造が主力商品でした。
特にオルゴールは機械的にも精密部品が非常に多く使用され、高度な技術が求められた製品で、オルゴール製造で培った精密機器製造技術が後にレコードプレイヤー製品開発にも生かされることになります。
1970年代のレコードプレイヤーと言えば、ターンテーブルにモーターを直接取り付けた状態でターンテーブルを回す仕組みの『ダイレクトドライブ方式』のレコードプレイヤーが一世を風靡していました。THORENS社は、ずっと昔の1929年にはダイレクトドライブ方式のレコードプレイヤーで特許も取得して開発・販売を行っていました。オルゴール製造にも限界を感じていたこの頃にレコードプレイヤー製造へ力を入れていくことになりオーディオ機器メーカーへシフトしていくことになります。
しかしダイレクトドライブ方式のレコードプレイヤーは、ターンテーブルにモーターが直接繋がっていることでレコード針にモーターの振動がダイレクトに伝わってしまうことが最大のデメリットでした。そこでTHORENS社はダイレクトドライブ方式のレコードプレイヤーに限界を感じ、モーターの動力をゴム製のベルトを伝ってターンテーブルを回すと『ベルトドライブ方式』のレコードプレイヤーの開発に力を入れていくことになります。ダイレクトドライブ方式の欠点であったターンテーブルやレコード針にモーターの振動が伝わってしまうことでしたが、ベルトドライブ方式にすることでモーターの振動音をゴム製ベルトが吸収してくれる為、ターンテーブルやレコード針にモーターの振動が伝わりにくくなり、ダイレクトドライブ方式のレコードプレイヤーよりもより良い音を奏でることに成功します。
このベルトドライブ方式のレコードプレイヤーの出現により、世界中のオーディオ愛好家からTHORENSレコードプレイヤーが注目されることになります。ベルトドライブ方式のレコードプレイヤーの欠点は、メンテナンスフリーのダイレクトドライブ方式に比べゴム製のベルトの劣化によってメンテナンス費用がかかると言うことです。THORENS社はメンテナンス費用が掛かっても音のクオリティに拘り、ベルトドライブ方式レコードプレイヤーの開発に力を注ぐ姿がオーディオファンから長い間、愛され続ける理由ではないでしょうか。
THORENSのレコードプレイヤーは、オルゴール製造で培った精密部品製造が出来る技術力で、他社では単価を抑える為にプラスチック部品を多様していますが、THORENSのレコードプレイヤーでは殆どの部品が金属素材と木製素材が使用されています。
単価よりも何十年でも使用し続ける事が出来て尚且つ、性能も衰えないよう全てにおいて妥協を許さないのがTHORENSのレコードプレイヤーです。

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