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STAXの歴史

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1938年、staxの前身である昭和光音工業は林尚武によって創業されました。
創業者の林尚武自身、録音技師と言うこともあって創業当初から静電型の商品を主力商品として事業展開を行っていました。

昭和光音工業は豊島区雑司ヶ谷に本社を置く小さな町工場規模の会社でしたが、振動板に静電気を発生させて音にする通称『コンデンサー』とも言いますが、昭和光音工業が作るコンデンサーは歪が少なく極小な信号に対しても忠実に音を出すことが出来き、そのコンデンサー技術を用いて1950年にstaxマイクロフォンを発売。

そして1960年には世界初のコンデンサー型ヘッドフォン『SR-1』を発売しました。
昭和光音工業が発売したコンデンサー型ヘッドフォンの流通によって日本のオーディオ業界をより躍進させる原動力となりました。小さな町工場に過ぎなかった昭和光音工業の卓越した技術は、大企業にも負けず劣らず最高の物でした。

当時の日本はソニーが世界初のトランジスターテレビを発売するなど飛躍的に技術革新が進んでいた時期でしたが、日本一のソニーが町工場であった昭和光音工業のコンデンサー技術を真似するほどであったと言われています。ヘッドフォン事業も安定した頃の1964年に昭和光音工業株式会社からstax工業株式会社へ社名変更が行われました。

stax社の主力商品でもあるコンデンサー型ヘッドフォンは、他社商品と違ってヘッドフォンだけでは使用が出来ず、音を出す為に専用のアンプを必要としました。良い音をヘッドフォンに伝える為にはアンプが非常に重要であった為、比較的安価なアンプから真空管を使用した非常に高額アンプまで商品ラインナップも幅広く用意されていました。

このことからstax工業はコンデンサーの技術だけではなく、オーディオ・アンプの技術も非常に高かったことがわかります。stax社のヘッドフォンには沢山の種類がありますが、初期型のコンデンサー型ヘッドフォン『SR-1』の技術を継承した『SR-Xシリーズ』がstaxオーディオ・ヘッドフォンの代表的な商品に位置づけされています。

しかし、他オーディオ・メーカーと同じでオーディオブームが去った1990年頃から経営不振に陥り、1995年に事業休止を発表。翌1996年に老舗ヘッドフォンメーカー・stax工業は倒産してしまいました。現在は中国のオーディオ会社・エディファー・テクノロジーへ売却し、コンデンサー型ヘッドフォンだけに商品を絞り、有限会社staxとして埼玉県富士見市で営業を行っています。

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