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B&W 805S の特徴

■B&W『805S』

 

英国のスピーカー専門メーカーBowers & Wilkins(以下B&W)805Sは、後継機の805Diamondと並んで、日本で大ヒットしたブックシェルフ型スピーカーです。

前後、Signature805を含め、日本限定の『805マセラッティ・エディション』なる物もありました。かのスーパーカーの『マセラッティ』ですが、限定モデ100本で完売。いかに日本での人気が高かったかを物語っています。

 

 

800シリーズと言えば、スタジオモニターの801や、トールボーイの803が有名ですが、日本では住宅事情からか、ブックシェルフのこのモデルが圧倒的にヒットしました。

805S単体でのユーザーの評価は非常に高く、後継の805Diamond登場までは、「最高のブックシェルフ」、あるいは「B&Wで最高のスピーカー」とまで言わしめました。

けして対コスト的な話でもなく、その定位と解像度の良さから、上位の802やハイエンドスピーカーと平行して持つ人も(現在でも)少なくありません。

805Diamondの登場で、その名誉とセールス記録は、そのまま805Diamondに受け継ぐこととなりましたが、日本におけるB&Wの人気を確立させた意味で、805Sの功績は非常に大きかったと言えるでしょう。

 

 

 

形状は、ちょうど上位機種である803Sの上だけを切り取ったような形で、キャビネット後部は流線型に丸まっています。

B&Wによれば“キャビネットの曲線の位置を正面に移動すると、背面の継ぎ目が強化されるとともに、音がバッフルの曲線全体に分散しやすくなるという2つのメリットがある”ためで、最終的には、『リバースラップ』と呼ばれる、まったく角を持たない流線型をした「究極のキャビネット」に至ります。

スピーカーキャビネットの分野において、B&Wがいかに先んじているかは、オーディオマニアなら誰しも知るところですが、805Sのキャビネットも同様。ブックシェルフとしては、同クラスでも、最も「理にかなった」キャビネットを持つスピーカーと言っていいでしょう。

 

 

 

スピーカーユニットに目を移すと、『殿』の愛称の元ともなっているノーティラスツィーター。これも上位の803とまったく同じです。

反射音がスピーカー音に与える影響をなくすため、先細りになっているチューブを持つ同社の特許技術『ノーティラスチューブローディング方式』。中低音を担当する16.5cmスピーカーは、これも同社の特許であり特徴でもあるケブラー繊維のコーンを用いています。

つまり、805Sは、この大きさのブックシェルフとしては、B&Wの全力を注ぎ込まれたモデルと言って間違いありません。

 

 

 

当然のことながら、中古市場での人気も非常に高く、ほぼ完売状態が続いています。が、後継機805Diamondが登場してからは、かなり求めやすい価格帯になっています。

オーディオファンを自称するなら、一聴の価値はある1本です。

 

 

 

 

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