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B&W スピーカーMATRIX802 SERIES3の特徴

名機801シリーズで知られるイギリスのスピーカー専門のオーディオメーカー『B&W(Bowers & Wilkins)』は、1966年の創業。

 

 

同じくスピーカーの老舗JBLが1946年、ALTECが1941年であることを考えると、必ずしも歴史あるオーディオメーカーではありません。日本のオーディオの祖であるパイオニアが、スピーカーメーカーとしてスピーカーしたのが1930年代ですから。B&Wは、むしろ遅い参入とも言えるでしょう。

 

 

ちょうどアメリカのBOSE研究所(1964年創業)と同じくらいの社歴ということになりますが、BOSEが「BOSE革命」とも呼ばれる革新的メーカーであったのに対し、B&Mは“モニタースピーカー”という、まさに「王道中の王道」を歩みます。

 

 

 

とは言え、B&Wは、けして“保守的”なメーカーではありません。

 

 

 

最初の製品であるP1(1966年・創業の年)こそ、Celestion(英)のスピーカーを用いた「キャビネットのみ」の製品でしたが、1974年には、当時ようやく商用化されたばかりのケブラー繊維をいち早くコーン紙に用いるなど、その製品は常に野心的で斬新。それは現在もまったく変りません。

 

 

 

さて。MATRIX802 SERIES3ですが、このスピーカーを語る上で、モニタースピーカーということを抜きには語れません。

 

 

発売は1992年。MATRIX802のシリーズとしては最終モデルで、最初のモデルは78年ですから。その後、Nortirusに後継したとは言え、B&Wの中でも、たいへんなロングセラーとして愛されたことになります。

後継機802Nortirus発売後も、あえてMATRIX802シリーズを探す人も多く、今も中古市場では、かなりな高額で取引されています。

 

 

 

MATRIX802は、B&Wがモニタースピーカーとして大成功を収めた同801シリーズを、一般家庭のリビングにも置けるように縦長にしたものでした。

801は、ウーファーが30cmながらも、その音質を支える筐体は幅が43cm、重量は60kgをゆうに超えていました(同じシリーズ3では44kgまで軽量化が図られている)。

MATRIX802では、これを20cm×2個ドライブすることによって、省スペース化を図っています。結果として、それは、B&Wを支える大ヒットモデルになりました。

 

 

 

肝心な音質についてですが、MATRIX802 SERIES3は、30cmウーファーの801よりも、低音が若干控えめながら、きわめてナチュラルでストレートな音がします。モニタースピーカーの血筋らしい音、と言えばいいでしょうか。

ウーファー以外のユニットはMATRIX801 SERIES3と、ほぼ同一ですから、当たり前と言えば当たり前ですが、1mを超える高さながらも、筐体の容量も801よりは小さいので、特に低音については、「似て非なるもの」と言っていいでしょう。

ただし、それが必ずしも「悪い意味」とは限りません。

オーディオファンには、MATRIX801よりMATRIX802 の方がより自然な音質で好き、という方も少なくありません。

 

 

 

 

もともと、モニタースピーカーというのは、スタジオ録音の際に文字通り、モニターするのが目的です。スタジオ録音されるものは、なにも音楽とは限りませんから、モニターの役割は、その音を「できる限り忠実に再現すること」になります。たとえばそれが会話であったり、時には動物の鳴き声だったり、自動車のノイズであったりもするわけです。

 

 

 

 

この点において、MATRIX802 SERIES3は、ハイエンドなオーディオ用スピーカーとして設計されていますから、主要なソースは「音楽」です。

部屋で音楽を聞くことを目的に調整され、音楽用のオーディオアンプで駆動することを前提として作られている分、オーディオ用としては、より「聴きやすい」音に仕上がっている、と言えます。

 

 

 

 

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