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アキュフェーズ プリメインアンプ E-303の特徴

アキュフェーズ プリメインアンプ E-303は1978年7月に発売されました。このアンプは、当時、電力増幅用として理想的で新しいデバイスとされていたMOS FETを出力段にパラレル・プッシュ構成で使用していることです。

MOS FETは、開発及び製造の段階でいくつもの壁に行き当たり、試行錯誤が繰り返されていました。ですが、その試行錯誤が実り、晴れてアキュフェーズ プリメインアンプ E-303に初めて搭載されることとなりました。MOS FETは電圧制御素子なので、入力ゲートに対して信号電圧を与えるだけで電力の増幅をおこなうことができます。そのため電力のコストパフォーマンスがよく、理想的な動作が可能になります。さらに、高速スイッチング特性にも優れているので、ひずみの発生がほとんどないのも利点です。優れた特性をもつゆえにコストが比較的高いのは難点ですが、アキュフェーズ プリメインアンプ E-303は、その高い性能を評価し、取り入れました。
アキュフェーズ プリメインアンプ E-303のユニット・アンプは、そのすべてがDC方式です。従来、トーン・コントロール回路のDC化は非常に難しいと思われていました。ですが、アキュフェーズ プリメインアンプ E-303は、新たに開発された DCサーボ方式によりDCドリフトを完璧に制御することに成功しました。そのため、トーン・コントロールの使用時でもDCアンプとして使用することが可能です。このサーボ方式により、帰還インピーダンスを小さくすることにも成功、結果としてS/Nが大きく改善されることとなりました。
電源トランスには、オーディオ・アンプとしては初となるCIコアーを採用しました。CIコアーは、負荷の変動が激しい家庭用電源に使用されているものと同じ形で、リーケージ・フラックスが少ない点が特に優れています。2分割巻きによって、コアーの軽量化、小型化も実現させました。
E-303は、低いボリュームで再生する時の聴き心地にもこだわっています。搭載されているラウドネス・コンペンセーターは、再生レベルや鑑賞する室内の環境に合わせて3種類のカーブを選択することができます。
出力メーターには、イエローとブルーのスケールで対数圧縮型ピーク指示が示されます。直読可能な利便性と、カラーリングのスタイリッシュさが同居する高いデザイン性が魅力の一台です。

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