今回は、音声機器を導入している数多くの企業から、絶大な信頼を培い、オーディオ業界で高い地位を築いたスピーカー・メーカー「DYNAUDIO」をご紹介します。DYNAUDIOは1977年にデンマークで設立され、今現在ではスピーカーに独自のドライバー・ユニットを採用しており、そのクオリティの高さが人気の秘訣となっています。
元々DYNAUDIOはスピーカーの製造において、独自開発したクロスオーバーに既存のOEMのドライバーを組み合わせるという方針を取っていました。しかし、DYNAUDIOの共同設立者でもあり、現在のオーナーであるヴィルフリート氏は、「他社に無い極めて優れたオーディオ用スピーカー・ユニットを開発しようと思ったら、独自開発した自社製のドライバー・ユニットを作り上げる必要がある」と考え、それに基づいて新型ドライバー・ユニットの開発をスタートさせました。この開発自体は極めて順調に進み、設立からわずか3年と経たないうちに、独自の自社製ドライバー・ユニットが完成しました。
この完成度の高さが認められ、他のオーディオ機器を取り扱う企業へのユニット供給の依頼が相次ぎ、今現在ではドライバー・ユニット・デベロッパーとしての地位を得ているほどです。DYNAUDIOの製品の特徴は何といっても、その厳格な製造過程と独自性にあります。完成した製品は85回にもおよぶ厳重な品質審査と、熟練した設計者による一切の妥協も許さない徹底的なハンドメイドによって、高い品質を維持しているのです。製品製造の過程で、従来不可能であるとされていたアルミと銅線のハンダ付け接続を可能にするなど、独自の製造管理を確立している点も特徴です。
また、オーディオ・スピーカーの部品一つ一つも自社製にこだわり、トゥイーターには独自のマグナフラックス冷却システムを採用したり、放射パターンを厳格にコントロールして、軸外特性を改善させる事に成功した独自のウーファーを採用しています。1994年には、カーオディオ・スピーカーの製造販売も開始して、製品の信頼性と品質の高さで他社製品を圧倒し、今ではカーオーディオ製品が年間売上の25%を占めているほどです。2004年には、イギリスの公共放送であるBBCにも製品の一つであるモニター・レファレンス・スピーカーが採用されるなど、ヨーロッパや北米を中心に多くの企業から実績を買われており、オーディオ業界においてDYNAUDIOはその存在感をますます発揮していくでしょう。