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アキュフェーズ プリメインアンプ E-303Xの特徴

アキュフェーズ プリメインアンプ E-303Xは次世代のデジタル・レコーディングやCD再生へ向けた配慮がなされた、新時代のインテグレーテッド・ステレオ・アンプとして、1983年12月に発売されました。発売当時の価格は29万8千円でした。インテグレーテッド・アンプの中では当時として最大レベルである150W/chの出力を実現しています。それを可能にしているのは、高速MOS FETのトリプル・プッッシュプル構成です。

アキュフェーズ プリメインアンプ E-303Xに搭載されているMOS FETは、正式名称を「Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor」といいます。優れた高域特性をもっており、また、多数キャリア・デバイスであることから電化蓄積が発生せず、そのため高速スイッチング特性にも優れています。入力インピーダンスが高いので、小さな電力素子で十分に稼働が可能です。これは、大きな信号電力を必要とするバイポーラ・トランジスタよりも秀でている点です。アキュフェーズ プリメインアンプ E-303X以前のモデルにも、MOS FETは採用されており、そのクリアな音質はもはやアキュフェーズの「顔」ともいえるでしょう。

アキュフェーズ プリメインアンプ E-303XのMOS FETの駆動性をさらに高めているのがカスコード・プッシュプル方式と呼ばれる構成です。カスコードとは、チューナーにおける高周波増幅回路の一つの方式で、高周波においてもミラー効果が発生しないことが知られています。ハイゲインであることと、高域特性が非常に優れていること、その二つの利点がアンプの性能を格段に飛躍させ、ひずみのほとんどないクリアな音質を提供します。

さらに、このアキュフェーズ プリメインアンプ E-303Xは、テープモニター・スイッチと、ダビングスイッチが備えられています。これらのスイッチにより、2台のテープレコーダー間でのダビングが可能になっています。こうしたテープ機能は、CDの台頭や録音機器の変遷に合わせて進化したものです。アナログ・レコードの世界だけに終始せず、時代の進化に合わせてオーディオ・ライフを牽引するアキュフェーズの姿勢を、この一台に見ることができます。このアンプで再生される余計な色づけの一切ない音は、耳の豊かなオーディオ・ファンを惹きつけてやみません。

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